覇気(はき)
「覇気」とは「野心や野望といった何事にも負けない強い気持ちや姿勢」です。職場などのあるあるとして、入社したばかりの新人に元気がないと周囲は「覇気がないねー」と声をかけたりするものです。本来なら天下を統一する英雄のような「覇者の気持ち」から、そんな大物に用いるべき言葉なのかも知れませんが、実際には元気がないや暗いといった意味でとかく使われがちです。
覇気の意味とは
「覇気」の意味は以下の通りとなります。
(1)物事に積極的に取り組もうとする姿勢や意気込み。
(2)人の上に立ちたい願望や強い意志。野心。野望。
(3)ある分野で誰よりも上を目指し覇者になろうとする心。
”覇”は「武力で天下を取る」「力で支配する」「スポーツなど競技で優勝する事」、”気”は「息」「意識」「心の働き」「精神」「気持ち」「雰囲気」で、武力など巨大な力を身に付け誰よりも上に立ちたい野心が「覇気」です。要するに「野心」「野望」などと限りなく近い意味を持つ言葉ですが、「覇」には古代中国で巨大な武力で国を統治した王様・統率者に与えられる特別な称号である事から、現時点で特別な力がある者や将来的にそんな力を得たい野心家などに対して使うのが相応しいようです。一方、人気漫画「ワンピース」では戦闘シーンでの気合めいたパワーアップとして「覇気」が使われる事から、そのように理解している人も多いようですが、実際は他者との争いだけでなく「大きな野心」や「誰にも負けない気持ち」を「覇気」とする方が正しいようです。
覇気の由来
「覇気」の由来として、まず「覇者」とは古代中国・春秋時代の人民を支配していた貴族「諸侯」の統率者の事です。「諸侯」の中でも中心となって他民族の侵入を撃退するほど武力に優れた事から転じて、「覇者」のような強い気持ちを「覇気」と言うようになり、現代はさらに拡大解釈され上記のような意味合いになります。
覇気の文章・例文
例文1.男勝りな性格の姉は家の中でも覇気が常に充満し、これは結婚など無理だと思っていたが、レクサスを乗り回す地元の土建屋二代目とあっさり結婚をして田舎のヤンママな勝ち組を手に入れた。
例文2.どんなに授業中が煩くても全く注意をしない死んだ目をした社会科の教師にある日廊下で呼び止められ、「君はいつも覇気がないけど大丈夫?」と心配され、俺も相当にヤバいんだと改めて自覚した。
例文3.ちょっと顔が良ければ資格が無くてもふざけながら天気予報を伝えたりキャンプ動画で酒をがぶ飲みすれば、実生活では全く覇気が感じられない群がったファンの弱男から姫扱いをされ小銭が稼げるのだから、女はやっぱり人生チョロいのは確かだ。
例文4.覇気満々で大物芸人を小バカにしたと思ったらその後すっかりトーンダウンして、それには相方も「かっこ悪いよカッキーン」と突っ込むべきではないのか。
例文5.大谷の活躍を毎日毎日ご丁寧に延々と放送して野球好きの中高年に媚びを売り、一方では中高生向けのアイドルグループもきっちりとバラエティや歌番組で使い続け若年層の機嫌を損ねないように細心の注意を払い、これでテレビ局は報道の魂や報道の自由といった聞こえの良い言葉を使って大衆を欺き、よく頭の良いスタッフは覇気を失わず仕事をしていられるものだ。
「覇気」を使った例文となります。
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覇気の会話例
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今日も退屈な1日が始まる…。
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朝からいつも、本当に覇気が感じられないよね。少しは気合を入れなよ。
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それってハラスメントじゃないんですか? 社会はマイノリティを認めるようにシフトしているのに、元気がないだけでそこまで嫌味を言われるのは心外です。
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分かった分かった。もういいから、向こうに行って。
職場にて性格がまったく違い関係が悪い2人の会話です。
覇気の類義語
「覇気」の類義語には「野望」「希望」「願望」「向上心」「気合」「意欲」「貪欲」「積極的」「前向き」「若さ」「勢い」などの言葉が挙げられます。
覇気の対義語
「覇気」の対義語には「覇気がない」「メランコリック」「憂鬱」「落ち込み」「繊細」「年寄り」「若さがない」「意気地がない」「鬱屈」「静か」「陰気」「無口」「コミュ障」などの言葉が挙げられます。
覇気まとめ
何事にも積極的であったり、人よりも何かを成し遂げようとする強い気持ちが「覇気」です。スポーツや学業や仕事などで周囲の人に負けない気の強さですが、同時にそこまでの気概がなくても明るかったり前向きな気持ちを「覇気」とするので、反対に大人しく元気がない性格だと「覇気がない」となります。