「蘊蓄」の使い方や意味、例文や類義語を徹底解説！

蘊蓄(うんちく)

｢蘊蓄｣とは｢人よりも学問や知識が豊富な事｣です。ですから頭が良くて色々な事を知っていて、ニュアンスとしては学問だけでなく芸術や時事的な話題なども詳しいのが｢蘊蓄｣で、学問に特化していれば｢学識｣となります。しかし、この芸術や時事的な話題というのが曲者で、この手の話題は関心がない人も多くいくら詳しく語られても迷惑な場合もありますよね。

蘊蓄の意味とは

｢蘊蓄｣の意味は以下の通りとなります。
　(1)蓄えた深い学問や知識。十分研究して己に吸収した学問や技芸などの知識。
　(2)物を積み蓄えておく事。
　(3)｢薀蓄｣とも書き同義。
｢蘊蓄｣とは簡単に言えば｢深い学問や知識」となり、まず普通の人が殆ど知らないようなマニアックな分野であったり、或いは有名な物事をさらに深く掘り下げて追及した知識となります。ですから物事の表面だけではなく、｢実は○○の裏側には□□といった意図が隠されていた｣といった風に核心めいた事であったりします。よって、非常に勉強熱心や知識を吸収する意気込みに溢れた人物を｢蘊蓄ある人｣、その知識を仕事などで役立てるのを｢蘊蓄を傾ける｣といった表現になります。一方、｢蘊蓄の披露｣とは実は微妙なところがあり、本人は意気揚々と披露して饒舌に語っているつもりでも、周囲はそんな話を求めていない事が往々にしてよくあります。要するに飲み会などで楽しく話をしたり、休憩時間にちょっとした気分転換で複数人が話している場において、それまでの会話経緯を遮断してまで誰も興味がない知識をひけらかしても、それは｢空気が読めない奴｣や｢知識マウンティングする奴｣や｢苦手な相手｣としか思われないのです。特にネット社会の現代なら、知識などはいくらでも簡単に調べられるので、知らないのは単に興味がないだけであり、それを｢蘊蓄｣として語られても迷惑なのでしょう。

蘊蓄の由来

｢蘊蓄｣の由来として、当初は様々な物を積み上げる行為という意味で使われていました。しかし、19世紀後半になると知識や学問を学び心に刻み己の知識とするのも蓄える行為となり、次第に｢蘊蓄｣と言われるようになっていきます。文献としては近代日本の小説家・東海散士の著書｢佳人之奇遇｣などに文言が記されています。

蘊蓄の文章・例文

例文1.お笑い芸人という肩書だけで実際は単なるテレビタレントがまた得意満面に何の面白味もない蘊蓄を語り出し、見た目の派手さとは裏腹に笑える箇所が1ミリもないのに本人は満足気の顔をしているのでチャンネルを変えたが、これで視聴率が上がると思っているならテレビ業界は末期だと思い知った。
例文2.お笑い芸人を引退した蘊蓄YouTuberとその信者に対して、お笑い界のカリスマと称される事務所に祭られた大物芸人とその信者のような傘下の子分芸人の対立構造を関係者達はまるで世紀の大バトルのように扱うが、普通の感覚からすると共倒れして双方が消えてくれるのを願うばかりだ。
例文3.蘊蓄ばかり語っていると神様に嫌われあの世でも寂しい思いをしそうだから、知識など無駄でしかない。
例文4.東大生などは蘊蓄が常人の何十倍も蓄えているはずだが、将来官僚やコンサルになってもこの閉鎖した日本社会を絶対に変えられないのだから、やはり知識は不要で無意味であるがその考えは必ずこの優秀な人達に否定される。
例文5.普段は大人しい奴に限って飲み会になると蘊蓄を得意気に語り出して女性の視線を気にするが、それで上手くいった試しがないとなぜ学習しないのだろう。
｢蘊蓄｣を使った例文となります。

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蘊蓄の会話例

• 

  俺の蘊蓄って、ウザいのかな？
• 

  会社で何かあったの？
• 

  昼休みに自分の席でウトウトしていたら、俺の噂話をしているのが聞こえてきて…。その内容が、あの人は蘊蓄が多いから気を付けなって、新人にアドバイスしているんだよ。どう考えても、それって俺の事でさ…。
• 

  そんな事を気にしちゃ駄目。もっと正面から文句言われるまで、蘊蓄をガンガン披露しなさいよ。

職場で陰口を叩かれ心が折れている男性をフォローする女性という内容です。

蘊蓄の類義語

｢蘊蓄｣の類義語には｢博識｣｢造詣｣｢学識｣｢博学｣｢物知り｣｢博学多識｣｢知恵の泉｣｢豆知識｣などの言葉が挙げられます。

蘊蓄の対義語

｢蘊蓄｣の対義語には｢無学｣｢無知｣｢浅学｣｢浅識｣｢薄識｣などの言葉が挙げられます。

蘊蓄まとめ

知識や学問が人よりも豊富にありとても賢いのが｢蘊蓄｣です。しかし、どちらかと言えばその知識を得意気になって無駄に披露して、周囲から疎ましく思われ｢蘊蓄をひけらかす｣という扱いになる事も多いです。ですから、相手から要求された時だけ短めに知識を披露すれば｢蘊蓄に深い｣と賞賛され、円滑な人間関係も築けるでしょう。