威光(いこう)

「威光」とは「権力や名声を持つ者だけに与えられる特権ともされる人を畏れさせ従わせる力」です。社会とは法やルールの上で成り立っていますが、すると法をルールを作る者や従わせる者が必要になるので、結局はそこで力関係が生じてしまいます。これはある意味で仕方がないのですが「威光」もそのような所があり、どんなに全ての人間は平等と言っても実際は不平等なので、ある人には畏れるが別の人は見下したり差別などをするのです。

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威光の意味とは

「威光」の意味は以下の通りとなります。
 (1)人が自然に畏れ敬い従おうとする勢いや力の事。
 (2)言語や動作に活気がある事。意気の盛んな事。
 (3)権威、威勢などもほぼ同義。
「威光」は人を恐れさせる力や勢いとなり、これは権力者など何かしらの力を持つ者が周囲に与える影響力です。例えば同じ内容の頼まれ事をされたとして普段は全て断るのに、在る者に対しては力関係から拒否するのが難しく、それどころか積極的に手助けする場合もあります。その典型が政権や権力者の力である「官邸の威光」「徳川家の御威光」「政財界トップの威光」などですが、他にも親や教師などの力が及ぶ場合でも「威光」とします。よって、力を持つ当人が自ら使う事もありますが、それより周囲の者が上手に肖ったり、或いは勝手に恐れて忖度をする場合の方が多いようです。権力者に盾突けば後が怖いので、それなら力に恐れて逆らわない方が得策なのです。半ば強引な力とも受け取れますが、相手側が勝手に畏れて敬うともなるので、ある種の見えない不思議な力が対人関係に及ぼす影響を「威光」とします。

威光の由来

「威光」の由来は残念ながら不明ですが、文献としては鎌倉時代の軍記物語「平家物語」などに文言が記されています。

威光の文章・例文

例文1.学生時代は全く目立っていなかったのに、親の威光で副社長に就任してからは部下へのパワハラや脅迫LINEに保険金不正請求などへ関与したと疑われているが、今のところは警察は何もしておらず結局は上級に優しい国として有耶無耶で終わりそうだ。
例文2.昔は繁華街をヤクザが肩を切って歩けば威光が放たれ周囲のサラリーマンや呼び込みの客引きは恐れて道を開けたが、今ではヤクザは警察に厳しくされ懐も厳しく、サラリーマンはもっとお金がないので飲んで遊べず、これでは繁華街も閑古鳥ばかりで飲み屋は開店休業状態だ。
例文3.財務省の威光には神の力も及ばず、たとえ国民が生活苦を訴えても平然と増税を畳みかけるがそれでも我慢をし続ける我々国民の底知れぬ馬鹿正直さには極楽浄土の阿弥陀様も呆れるだろう。
例文4.議員のフランス研修が問題となり、同じ仲間議員が派閥重鎮の威光を恐れてフォローするのはまだ理解できるが、どこかの金だけもっている逆張り発言だけで食っている有名人がこぞって「庶民は貧乏くさい」と批判したのは、国民の多くは貧乏で苦しみ怒りを抱えている事を全く理解していない天然さが憎い。
例文5.どんなに賢く明朗でも就職先を間違えれば人生終了が日本で、大企業の威光が燦然と輝く窓際族の方が世間体は何百倍も高い。
「威光」を使った例文となります。

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威光の会話例

  • 質問者アイコン

    ヤバイーなー。絶対に取引先が怒っているよ。

  • 回答者アイコン

    またミスしたの?

  • 質問者アイコン

    うん、まあ…。この前もミスしたばっかりだから、また課長に怒られるよ。

  • 回答者アイコン

    終わった事は仕方ないって。それに(取引先の)あそこはうちの下請けみたいなものだし、部長の威光が十分効くから大丈夫だって。ほら早く、課長に報告して謝って。

仕事のミスを先輩に相談しているという内容です。

威光の類義語

「威光」の類義語には「権威」「威厳」「威明」「名望」「威風」「威力」「権力」などの言葉が挙げられます。

威光の対義語

「威光」の対義語には、力がないという広い意味なら「非力」「無力」「無能」「不能」などの言葉が挙げられます。

威光まとめ

権力者など特別な者だけが持ち合わせる相手を威圧し服従させる力が「威光」です。自らが政治家や成功者だけでなく、自分に力がなくても所属する会社が大企業であったり、父親が地元の有力者なら周囲が気を遣う事も増えるので「〇〇の威光」で大きく見せる事ができます。そんな事情から良い事だけでなく、妬みや憎さから悪いニュアンスでも多く使われます。

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