回顧(かいこ)
「回顧」とは「冷静や客観的な心で過ぎ去った出来事を思い返す事」です。若い時はあまり昔の事を思い返すなどないでしょうが、年を重ねると不思議なもので未来には希望が残されていないと気付き、考えるのは昔の出来事ばかりなのです。過ぎ去った日々の記憶など何度思い返しても無意味なのに、未来ではそのような経験をする事がないと分かっているので、どんな時も突然フラッシュバックしたように脳裏を過るのです。
回顧の意味とは
「回顧」の意味は以下の通りとなります。
(1)過ぎ去った出来事を思い出す。昔の出来事を思い返す。
(2)体の動作として後ろを振り返る。後ろへ振り向く。
昔経験した出来事の記憶を思い返したり、その途中過程などが「回顧」です。より正確には懐かしさというよりは「冷静に昔を思い出す」というニュアンスが近く、例えばかつての事件事故などから今後繰り返さないようにする場合は「回顧」という表現が使われます。また、「回顧展」や「回顧録」のように昔を振り返る芸術作品展や文学紹介などでも「回顧」となります。他にも、実際に体の向きを変え後ろを向くといった動作も「回顧」で、この使い方はやや珍しいですが昔を思い返すのを「後ろ向き」とすることから使われるようになっています。ちなみに、昔を懐かしむ感情として思い出すのは「追想」や「追憶」で、「回顧」はある種の第三者のように冷静に振り返る場合となります。
回顧の由来
「回顧」の由来は残念ながら不明ですが、文献としてはイギリス人のサミュエル=スマイルズによる啓蒙書「自助論」の翻訳本「西国立志編」(明治3年)などに文言が記されています。
回顧の文章・例文
例文1.電車に揺られていたら、ふと学生時代の苦々しい記憶が回顧してしまい、思わず涙が零れてしまった。
例文2.酒を一口飲むともうダメで、過ぎ去りし日々がまるで栄光だらけだったように回顧するが、確かに今よりは幸せだったと思える。
例文3.著名人が亡くなるとまるで素晴らしい功績を上げた偉大者のように回顧録が出されるが、気持ち悪いように事実を捻じ曲げてまで金に変えて一体何を考えているのか理解に苦しむ。
例文4.嫌な予感がしてどうも気になって回顧して後ろを見たら、なんとスマホを落としていて気が付いてラッキーだった。
例文5.あの北朝鮮が数十年後にはミサイル発射したことを回顧して反省する日々が来るかも知れないが、それなら福島の原発処理水を放出した事を回顧した政府が謝罪する日もあり得るだろうが、まあ多分両方ともゼロだろう。
「回顧」を使った例文となります。
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回顧の会話例
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今を生きている現代人なのに、なぜ昔を振り返るかって? それは…。
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未来を生きるのに、過去は必要なのよ。前に進むには、過去の出来事を回顧すれば教訓になる、でしょう?
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そうそう。それを俺も言いたかったんだよ。
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本当なの? 過去は無駄だから記憶から消すとかって、言いたそうに見えたけど。
昔の思い出の是非について会話をしています。
回顧の類義語
「回顧」の類義語には「回想」「追想」「追憶」「回視」「追懐」「見返す」などの言葉が挙げられます。
回顧の対義語
「回顧」の対義語には「予想」「展望」「未来」「予見」「見通し」「先見」などの言葉が挙げられます。
回顧まとめ
昔の経験などをもう一度思い返すのが「回顧」です。しかし、古き思いに浸るのではなく冷静であったり客観的に事実を振り返るといった際に使う言葉です。また、体を振り返って後ろを向く動作でも「回顧」となります。