気概(きがい)
「気概」とは「困難にも負けず乗り越えてしまう強い意志や根性」です。何かと「最近の若者はヤワだ!」と言われる風潮がありますが、これは昔も同じように言われてきた事で、いつの時代も年配者にとっては若い人は頼りなく見えるのでしょう。でも、最近の若者の方が体はジム通いでムキムキですしスマホやネットを使いこなして流行にも敏感なのですから、賢くて体力もある気がしますよね。すると、そのようなものではなく、目に見えない強い意志や精神的なものが「ヤワ」ともなります。否定したい人はどんな事でも否定するので、そんな頑固な意志もある意味で「気概」となります。
気概の意味とは
「気概」の意味は以下の通りとなります。
(1)困難にも屈しない強い意気・意思・気性の事。
(2)誰にも負けないような強い心意気。
(3)積極的な気持ちである意気込みがとても激しく勇ましい。
「気概」は性格や気持ちが非常に激しくて勇ましい事です。困難に直面しても負けない精神力があり、そんな強さから周囲からは「気概のある人」「気概が感じられる」「気概溢れる」と高評価で使用されます。逆に強い意志が空回りの場合は「気概ばかりある」「気概だけは一人前」といった形もありますが、基本的には誉め言葉で用いる方が自然です。よって、根性・決意・精神力といった言葉ともほぼ同義でありますが、これらを掛け合わせて少々堅苦しくした表現が「気概」といったところでしょう。例えば子供向けの漫画ならガッツや根性を作品の要素とするパターンが完成されていますが、そこを「気概」とすると意味は同じで大差がないはずなのにどうにも印象がおかしくなってしまいます。ですから、不特定多数へ無暗に使うというよりは多少相手を選ぶ「強い心意気」と理解できます。
気概の由来
「気概」の由来は残念ながら不明ですが、文献としては室町時代中期の講義録「史記抄」などに文言が記されています。
気概の文章・例文
例文1.今年入社したばかりなZ世代のやる気ない新人を育てようと、周囲に反してただ一人「実は気概がある」とフォローしてきた○○さんが遂に仕事を辞めてしまった。
例文2.政治の仕事は確かに命懸けな気概が試されるが、その結果として日本がどんどん悪い方に向かっているなら強い意志は単に弱い国民の声を無視する体のいい防波堤でしかない。
例文3.若いときは気概らしき願望や夢が胸の奥底にあった気がするが、何十年も貧困生活を続けると一切の感情が失われもう整形した芸能人など眼中になくゲームやアニメも全部過去の遺物で、ただ深く深く眠って朝方に北の脅威のミサイルアラートで叩き起こされても怒る気力もない。
例文4.大臣は控室で散々嫌だと拒否したが、会場に向かうとなると急にいつも通りの笑顔を出して、何もないように汚染された魚を美味しいと食べるのだから、いくら権力の中枢にすがり選挙で勝つためとはいえ、庶民には理解できないその気概はまるで少年漫画の裏ボスのようだ。
例文5.問題噴出ながら3000万人の来場が見込まれる大阪万博に関東では誰も興味がなく一切報道されていないが、それでも誘致に躍起になった政治家は白昼夢のような根拠なき気概をどんな場でもパフォーマンスとして見せてある意味で一流のプロだと感心したが、当然ながら失敗の責任は取ってもらう。
「気概」を使った例文となります。
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気概の会話例
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あの最高に緊張する場面で見事にPKを決めるとは…。
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男らしい気概を世界中に示したわよねー。ゴールに入った瞬間、絶叫して私ファンになったもの。
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調子いいなー。今まではモグモグタイムのカーリングこそが世界最高のスポーツだって言っていたのに。
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そっちこそ、ストイチコフやカントナよりも大谷の方が凄いって大の野球ファンだったじゃない。このにわかフットボーラー!
他のスポーツが好きだった2人がサッカーW杯が始まったら急にファンになったという内容です。
気概の類義語
「気概」の類義語には「度胸」「血気」「ガッツ」「ヴァイタリティ」「肝玉」「気骨」「反骨心」などの言葉が挙げられます。
気概の対義語
「気概」の対義語には「根性なし」「情けない」「意気地なし」「弱腰」「ヘタレ」「腑抜け」「心が折れる」「三日坊主」「飽きっぽい」などの言葉が挙げられます。
気概まとめ
人並以上の強い精神力や根性を持ち合わせているのが「気概」です。辛い出来事に陥っても持ち前のガッツや決意で乗り越えてしまうので、非常にタフであり度胸がすわっている人ともなります。通常は相手を評価するように「気概がある」となり、男らしさや逞しさを感じさせる言葉です。