悠然(ゆうぜん)
「悠然」とは「気持ちが落ち着きリラックスしている状態」です。小心者と呼ばれる人はちょっとした物事でも慌てたり、酷いとパニックに陥って取り乱したりしますよね。しかし、逆にどーんと構えている性格の人はトラブルに陥っても普段通りなので頼り甲斐があり冷静な判断も可能です。そんな性格を「悠然」として、ある種の誉め言葉のようになっています。
悠然の意味とは
「悠然」の意味は以下の通りとなります。
(1)落ち着いていて少しも慌てない様。
(2)物事に動じないでゆったりしている。
(3)「悠悠」「悠々」なども同義。
”悠”は「時間的や空間的にどこまでも続く」「気分がゆったりしている」、”然”は「その通り」「然り」「しかし」で、気分がゆったりして落ち着いているのが「悠然」です。これは非常に心が落ち着きしっかりしている様を表していて、例えば悪い知らせがあっても人から見ると全く堪えたように見えない場合などに「彼はいつも悠然としている」といった風になります。ですから物事に動じない人、大物などで常に落ち着いた人、又は逆に世間に無関心なのんびり屋などにも使う表現です。さらに拡大解釈すれば、「大人の対応」「余裕がある」「狼狽しない」なども非常に近く、ちょっとした事でも慌ててパニックになる人とは真逆となるでしょう。だから、人生が上手くいっている人なら余裕があるので「悠然」と物事を対処する事も多く、逆に仕事などでミスが続くと焦りからちょっとした事でも非常に慌てて混乱をするのです。
悠然の由来
「悠然」の由来は残念ながら不明ですが、文献としては平安時代初期の勅撰漢詩集「経国集」などに文言が記されています。
悠然の文章・例文
例文1.彼は給料日は悠然として余裕があるが、ギャンブルを絶対に止められない性格なので1週間もすれば大半を失い人生に絶望した表情を見せる。
例文2.独身でも金に余裕があるので、どれだけ家族から変人と貶されても悠然としていられる。
例文3.国民生活を良くしたいと願い政治家になったはずなのに、なぜか世間とずれた言動や行動を繰り返し、それでも悠然と構えていられるのは庶民には手が届かない特権階級と金を手にした余裕からだろう。
例文4.いつもは悠然とした態度を取るが、夜道を歩くときは苦い記憶ばかりな学生時代を思い出しビクついてしまうマッチョな人たち。
例文5.茹だるような真夏の渋谷や銀座をブランドの短パンと高級スニーカーで悠然と歩く中年オヤジはオシャレでセンスが良いと思っているから質が悪く、どんなに金をかけても老けた坊ちゃん顔なら普通にするのが無難なのに特別な存在だとファッション業界からの洗脳が強烈に刷り込まれ、季節が変わっても解ける気配はない。
「悠然」を使った例文となります。
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悠然の会話例
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へぇー、あの上司がそんなに取り乱れたんだー?
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本当なんだって。凄かったのよ。まるで駄々っ子みたいに…。
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でも、いつもは悠然というか平然としているじゃない。それなのに、スマホを部下に覗かれたぐらいで別人みたいにねー。わかった、何かヤバい画像でも見ていたんじゃない?
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私もそう思うの。ちょっと油断して画像を開いたら、その瞬間に部下に声をかけられ見られそうになって、逆切れという感じね。
普段は「悠然」な性格の上司が慌てふためいたという内容です。
悠然の類義語
「悠然」の類義語には「気長」「悠長」「呑気」「ゆっくり」「余裕がある」「心が広い」「温厚」「温順」「冷静」「理性的」などの言葉が挙げられます。
悠然の対義語
「悠然」の対義語には「不審」「性急」「狼狽する」「慌てる」「狼狽える」「平常心を失う」「パニック」「挙動不審」などの言葉が挙げられます。
悠然まとめ
心が落ち着き余裕がある様が「悠然」です。ですから物事に対して慌てたり動じる事もなく、いつも通りの冷静に対処できます。大物やマイペースな人に多い性格ともなり、そんな様子から周囲からも頼られる存在になりがちです。