殲滅(せんめつ)
「殲滅」とは「その場の全員を皆殺しにして滅ぼす事」です。戦争などでミサイルや爆弾を使えばその場の全員を簡単に滅ぼしてしまう事が可能ですよね。被害に遭った方はたまったものではありませんが、攻撃側は「敵部隊を殲滅させた」と喜ぶのでしょう。また戦争以外でも、最大級の憎しみや怒りの感情の矛先に向かって「殲滅」を使うこともあります。それぐらい重い表現なので使い方は慎重になるべきでしょう。
殲滅の意味とは
「殲滅」の意味は以下の通りとなります。
(1)全て残らずに滅ぼす。残りなく全員を滅ぼす。
(2)皆殺しにする事。全員を死なす事。
”殲”は「皆殺し」「殺し尽くす」「滅ぼす」、”滅”は「存在している者を絶やしなくする」「滅びる」「火が消える」「死ぬ」で、殺すや死という意味の言葉を繰り返し「その場の全員を殺して滅ぼす」のが「殲滅」です。現代の日本のような法治国家ではまず日常的には使わない言葉ですが、逆に言うならニュースで解説者が外国で起こっている戦地の状況を伝える際や戦争ゲームなどでは割と多く使われています。また、昔の戦争では敵軍を全員殺すようにと上層部が命令として「殲滅作戦」を出していました。「滅」に関しては元々は仏教用語ともされ「仏や高僧の死」という意味があり、そこから「殲滅」も仏教と関係深い側面もあったのですが、現代では「全員を滅ぼす」「皆殺し」という非常に極端な言葉としてある種の戦争用語となっています。しかし、仏教には「滅ぼす」や「消滅」といった概念から「形あるものは何れ全て消える」と信じられ、また仏教というか宗教そのものが戦争とは切り離せられない関係であるのは歴史が証明をしています。
殲滅の由来
「殲滅」の由来は上記のように恐らくは仏教と非常に繋がりがある言葉であるのは間違いありませんが、それ以上に関しては分かっていません。文献としては江戸時代後期の儒学者・会沢安の著書「新論」などに文言が記されています。
殲滅の文章・例文
例文1.スズメバチを殲滅させると期待したが、掃除機を改良した秘密道具を使い始めたハンターに、ああ生け捕りにして金を稼ぐのが目的なんだと拍子抜けして、無駄な事で時間をかけずにいいからさっさと撤去してくれと心の中で願った。
例文2.ロシアや北朝鮮は部隊が殲滅しても、兵士遺族には石鹸やタオルを贈って国の為に立派な最期を迎えたというのだから常人には理解不能で、これは交通事故などでも同じような事をするのか誰か教えて欲しい。
例文3.ゲームの中で「殲滅作戦だー」「皆殺しー」などと物騒に叫ぶ男ほど、学校や職場では周囲が心配になるほど物静かでそのギャップに驚く。
例文4.駅構内で隠し撮りをするたった1人のマニアを逮捕するのに5人ぐらいの警官が必死になるなら、暴走族や輩の逮捕にも同じ熱量で挑みさっさと犯罪を繰り返す部隊を殲滅してもらいたい。
例文5.戦国時代は有名な武将が数多く登場してまるで戦を男のロマンのように伝えるが、単に野蛮な鬼畜が敵兵を皆殺しの殲滅にするだけな悪魔のような時代にも関わらず、美化しまくるのは歴史認識としていかがなものか。
「殲滅」を使った例文となります。
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殲滅の会話例
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毎日ロシアとウクライナ情勢がこれほど報道されると、もう悪いけど日常化しているよね。
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テレビなんて大谷選手とロシアと天気関連ばっかり。ニュースで原稿を読むアナウンサーはウクライナで爆発が起こり数十人が亡くなりましたと言った数分後に残念な顔で、「大谷選手がケガをしました」って言うんだよ! 片や戦争で人が死んでも異国だからと無表情の無反応、生きている大谷には悲しい顔って、人として命の感覚でおかしくない?
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それも全てロシアが悪い。ロシアの指導者と一味が殲滅されないかぎり延々と続くな。
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まあ私たちも無表情でいつも会話しているけどね…。
ロシアのウクライナ侵攻について会話をしています。
殲滅の類義語
「殲滅」の類義語には「鏖殺」「絶滅」「根絶」「撲滅」「撃滅」「根絶やし」「駆逐」「討伐」「滅亡」「破滅」などの言葉が挙げられます。
殲滅の対義語
「殲滅」の対義語には「生け捕り」「捕獲」「生息」「蔓延」「復興」「復旧」などの言葉が挙げられます。
殲滅まとめ
全てが滅ぼされ、皆殺しになるのが「殲滅」です。戦争などで使われる事が多い大変惨い状態を表しています。類語でもある絶滅や全滅と違って人の手により滅ぼしたり全員を殺したと受け取れるので、どうしても使い方が限定され悲惨な状況を思い浮かべてしまいます。