涵養(かんよう)
「涵養」とは「人や作物を育てる水の循環から、ゆっくりと大切に育てたり養う事」です。貴重な飲み水がある日突然、蛇口を捻っても一滴も出てこなかったら焦りますよね。好きな時に飲めず使えなくなって、初めて有難みを実感するのです。そんな事から、貴重な水のように大切に育て上げるのが「涵養」となります。
涵養の意味とは
「涵養」の意味は以下の通りとなります。
(1)水が自然に染み込むように、無理をしないでゆっくりと養い育てる事。
(2)自然界の水の循環である「水文学」において河川水や雨水などが地下浸透して水が供給される事から、転じて、少しずつゆっくりと大切に育てたり成長を助けて導く事。
「涵養」は自然界における水の循環である「水文学的循環」(略:水文学)から誕生した言葉で、水とは河川水や雨水などが地下にゆっくり浸透して帯水層に水が供給され地下水となって、それが川や海に流れて蒸発し水蒸気となって雲となり再び雨の降水へと繋がる循環があります。こうした一連の流れは時間をかけたゆっくりとしたものなので、そこから水が大地に染み込むように少しずつ育てたり成長させる事を「涵養」と例えて表現します。具体的には人としての成長として知力体力に精神力、他にも仕事や大自然であったりと何にでも使える便利さがあります。ですから成長・育成・トレーニング的な意味合いを「水循環」としたのが「涵養」となっています。
涵養の由来
「涵養」の由来とされる水循環の研究である「水文学」(すいもんがく)は、1964年にユネスコが定義を定めて環境問題などにも関心が持たれる背景から世界中に広まっていきました。
涵養の文章・例文
例文1.派遣会社と受け入れ先の大企業は社員を単なる取り替えがきく駒としか見ていなく、だから人材を涵養にする気など全くないのだから、それは職場に士気などあるわけがなく惰性で働くだけだ。
例文2.都会の水道水は地方が必至になってダム建設という公共事業のミラクル錬金術で編み出し、熟成を重ねた涵養によるものだと思うと、どんな天然水よりも高級なのだから舌鼓を打ち飲むべきだ。
例文3.進学塾に通えば誰もが受験マシーンとなって気長に涵養するよりも短期間でテスト成績が上がる。
例文4.あの有名大学は「健全な文化人を涵養するのが理念」としているのに、脱税タックルからのシャブ乱用とあらゆる問題事を起こしても持ち前の人並外れた体力で廃校になるのを防ぎ、全てを汗と涙で有耶無耶にする異常なぐらいタフで頭が下がる。
例文5.母校が優勝したらバッシングに対して涙を流すエリートはよそ者を受け付けない塀の中の楽園で涵養されてきたら、いつのまにか精神はカルト漬けになり、その優越感が幻だと正気に戻って人間感情で原稿を読める日は果たして今後あるのだろうか?
「涵養」を使った例文となります。
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涵養の会話例
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新人が3人配属されてきたから、これからゆっくりと育てないと。
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そうですよ。去年は業績不振でしたけど、まだ挽回できます。だから本社も期待から3人もよこしたんじゃないですか?
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うん。だよな。ところで、即戦力なるように涵養するのに力を貸してくれないか?
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私ですか? 実は私は今月いっぱいで本社に復帰します。
とある職場での上司と部下の会話内容です。
涵養の類義語
「涵養」の類義語には「教養」「培養」「育成」「養殖」「耕作」「保育」「トレーニング」「修練」「訓練」などの言葉が挙げられます。
涵養の対義語
「涵養」の対義語には「流出」「促成」「漏洩」「流失」「無知」「駆除」などの言葉が挙げられます。
涵養まとめ
雨水がゆっくりと地中に染みて川や海に戻っていくように、じっくりと育て上げるのが「涵養」です。人や作物などの成長や発展として使う言葉で、貴重なものとして大事に養いながら育てている感があります。水とは日常に溢れていますが、本来はとても貴重で人が生きる上で欠かせられないので、そこから大切だからこそゆっくりと育てるとして「涵養」になります。