背景(はいけい)
「背景」とは「絵画や写真の背後の風景」や「物事の事実」です。文字通りに「背中の景色」となる言葉で主役となる存在を後ろで支えたり見守るような役割ですが、それ故に実は裏で支えるような物事の本質を握っている側面もあります。だからある出来事に対して「この背景には…」といった形で使われる事が多く、ある意味で目の前に見えるものを疑うべきと説いています。
背景の意味とは
「背景」の意味は以下の通りとなります。
(1)絵画や写真などで主題を引き立てる背後の光景。後景。
(2)演劇や舞台での後方を仕切る絵。
(3)人や物の背後の景色。周囲の状況。
(4)ある物事に隠された事実や事情に背後で暗躍した勢力などの比喩表現。
(5)思想や行動の要因や根拠となるもの。
(6)英語「バックグラウンド」(background)も同義。
「背景」は主に上記のような意味があり、大変使い勝手がよい言葉となります。まずは絵画や写真に舞台などで主役といったメイン題材に対してその後ろや脇に存在して引き立てる様々なものが「背景」で、一番メインとなり大きく扱われるものを支える役目があります。ですから絵画や舞台なら大変分かりやすいのですが、これが刑事事件や物語や社会問題となると「背景」を知るのは実は大変難しくなります。様々な事情が複雑に絡んでくると、ニュースなどから簡単に入手し知り得る情報とは実は表面的なものが多く、その裏では所謂「大人の事情」や「暗躍する勢力」などもあって、本当の事実を掴もうとすると横槍が入ります。その一方、現代においては自己責任論が強くどんな理由や「背景」があるにせよ、それは因果関係を認めない事も多くなり、要するに最初に大きく取り上げられ「主役」「主犯」「主人公」になってしまうと覆すのは不可能に近くなります。このような事実に関する「背景」もありますが、イラストなどを描く際に後ろの風景にも力を入れる「背景を綺麗に描く」といった使い方も多いです。
背景の由来
「背景」の由来は残念ながら不明ですが、文献としては近代日本の文芸評論家・島村抱月の著書「囚はれたる文芸」などに文言が記されています。
背景の文章・例文
例文1.この事件の背景には何があったのかを本当に解明するには、政治的な圧力がある限り絶対不可能だ。
例文2.日本の貧困や厳しい経済事情などは政治家の責任だが、同時に問題があるほどそれを餌にして儲ける輩が多いので、もはや何が背景にあって何が正義なのか分からないので取り合えず全員悪人で間違いない。
例文3.箱根の美しい大自然を背景にして、詐欺で儲けた悪党と金しか興味がないキャバ嬢くずれ逃走中の束の間を楽しむように仲良く記念撮影をしていた。
例文4.イスラエルの背景にはアメリカ、ロシアの背景には中国あるとするなら、米中戦争が絶対に起こらないとは言い難く、その仲介者として命運を握るのがアニメ国家日本なのかも知れない。
例文5.庶民を苦しめる増税の背景には財務省があるといわれるが、それを永遠に変えられない政治家も国民も無力という事だ。
「背景」を使った例文となります。
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背景の会話例
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物価がずっと上がってきたでしょう。
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でも、最近は少しずつ下がっていない?
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そうなんだよ。不思議だけど、食料品も一時期より安くなってきているんだよね。いったい背景には何があるのか?
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何もないんじゃない。どうせ暫くしたらまた上がるわよ。
物価高騰の「背景」についての会話となります。
背景の類義語
「背景」の類義語には外観的には「バック」「光景」「風景」「情景」「パノラマ」「全景」、事実や事情では「環境」「前後関係」「状況」「背後」「因果関係」などの言葉が挙げられます。
背景の対義語
「背景」の対義語には「前景」「フロント」「主役」「主題」「創造」「虚構」などの言葉が挙げられます。
背景まとめ
主役や主題を引き立たせる背後の景色や周囲の状況、そしてある物事の隠された事実などが「背景」となります。よって、カメラなどで撮影したり風景画を描いたり、事件や物語などの出来事について用いる表現が「背景」ではないでしょうか。