問屋(とんや/といや)
「問屋」とは「メーカーから製品を仕入れて販売店に卸す中間業者」です。メーカーから直接で消費者に販売する方が確かにコストも安いですが、それでは価格の地域格差が鮮明になったり、メーカー側が在庫を抱えるなどのデメリットも多数あります。ですから「問屋」があるのは実はメリットの方が大きいのですが、それでもこれだけネットや流通システムが完成してくると消費者はより安く購入したいので、どうしても「問屋」の存在に疑問を抱く声も出てきます。
問屋の意味とは
「問屋」の意味は以下の通りとなります。
(1)生産者や輸入業者や一時卸売業者などから商品を仕入れて最終消費者以外に対して販売を行う卸売や流通業者の総称。
(2)元々は「といや」と読み、鎌倉時代の運送や委託販売などの組織「問丸」(といまる)が転じたもので、卸売りを行う業者。
(3)投資用語では「といや」と読み、投資家の為に株式などの売買をして手数料を得る証券会社などの業者。
(4)法律用語でも「といや」と読み、売主と買主の間で商品などを客に紹介する「取次契約」で、自分の名前で他人の為に物品を買い入れる事。
「問屋」は一般的には「とんや」と読み「卸売業者」や「流通業者」の事で、ある製品の製造業者と小売業者の中間に位置しています。具体的にはある製菓工場で作られたお菓子や別の食品工場で作られた弁当などを大量に仕入れて、それらをまとめてコンビニやスーパーなどに卸売りする仕事となります。よって業界的な専門用語で「川上から川下」と言い、製造業者などのメーカーを「川上」、卸売業者「問屋」は「川中」、コンビニやスーパーなど「小売業」を「川下」、そしてコンビニなどの店頭で購入するお客が「消費者」です。その一方では歴史的には江戸時代のコメの販売や流通などのコメ業者を「問屋」とする事が多く、また法律用語の「問屋」(といや)は「自分の名前で他人の為に商品を買い入れする仕事」となります。このように「問屋」は実は様々な意味があるので、実際に用いる際などには誤解をしないようにして下さい。また、隠語で露天商などは「ヤトン」としたり、麻薬や犯罪に絡めて「問屋」を用いる場合もあります。
問屋の由来
「問屋」の由来は平安時代後期から鎌倉時代にかけて運送・倉庫・委託販売業などをしていた組織「問丸」です。この組織は「といまる」と読み現代の卸売販売業者の先駆け的な存在で、江戸時代になるとこのような仕組みの中でも特にコメを扱う業者を「とんや」と呼ぶようになって現代へと繋がっていきます。
問屋の文章・例文
例文1.偽造パスポートで入国した男が闇問屋から違法薬物と銃を購入し、まずは試し撃ちと荒川の河川敷の高架橋下で銃を構えた所を警ら中の警官に逮捕された。
例文2.コロナ禍はマスク不足で問屋にも在庫がなかったが、あの混乱は今思い返すと実に馬鹿らしい騒動だ。
例文3.問屋は不要という意見も大きいが、アマゾンや楽天などもやっている事は問屋でしかない。
例文4.保守党はパーティー券を問屋のような中間業者を通して、キックバックなど手にしていなければここまでの大騒動になっていないが、政治家とは全員強欲で金と女と力が欲しくて溜まらないから罰が当たったのだろう。
例文5.現金問屋とは現金のみで商品を卸す業者で、今時は大分少なくなって珍しい存在だ。
「問屋」を使った例文となります。
- [adsmiddle_left]
- [adsmiddle_right]
問屋の会話例
-
こういう生活用品や家電も問屋から直接買えば安いのかな?
-
それは手数料がカットされるから、その分だけ安いよね。
-
なるほどねー。やっぱり資本主義のシステムはダメだな。これって派遣の中抜きと構造的には同じ事でしょう。
-
まあそうだけど、派遣会社や五輪・万博の中抜きを一緒にしたら問屋業者が可哀そう。
「問屋」のシステムについて語る会話です。
問屋の類義語
「問屋」の類義語には「ブローカー」「問屋業」「卸問屋」「卸商人」「仲買」「卸売問屋」などの言葉が挙げられます。
問屋の対義語
「問屋」の対義語には「小売店」「小売業」「小売屋」「メーカー」「製造業」「製造業者」などの言葉が挙げられます。また、江戸時代などに大坂(大阪)で上方地方に取引していた問屋「上問屋」の対義語は上方地方の小さな問屋「下問屋」です。
問屋まとめ
以上が「問屋」についての解説となります。「問屋」とは要するにメーカーの小売業の間にある「卸売業者」の総称的な言葉で、学生の就職で人気の「大手問屋」も多数あります。また、三菱商社・三井物産・Amazon・楽天なども「問屋」の役目を果たし、現代においては総合商社や大手通販サイトも含まれていると言っても過言ではありません。