活版印刷(かっぱんいんさつ)
「活版印刷」とは「昭和初期頃まで主流だった金属版に文字を彫り込み印刷する方法」です。今ではスマホなどデジタル媒体を使って新聞や雑誌を読むのが当たり前ですが、スマホ登場前はそれこぞ大規模な工場で大量に印刷され出来上がったものが全国各地の書店や駅売店やコンビニなどに並んでいたのです。そして更に遡った時代になると印刷物は大変貴重で、本や漫画などを宝物のように大切にしていたのです。
活版印刷の意味とは
「活版印刷」の意味は以下の通りとなります。
(1)文字などを彫り込み活字を組み合わせた「活版」で印刷する事や出来上がった印刷物。
(2)明治時代から昭和初期までは書籍・新聞・ポスターなどで主流の印刷方法だったが、その後はオフセット印刷など新しい印刷方法が登場して衰退した昔ながらの活字を組み合わせた組版(活版)に塗料を塗り紙に転写する印刷方法。
(3)別名「凸版印刷」も同義。
”活版”は「活字を組み並べた印刷用の版」、”印刷”は「原稿に従って印刷物を作りインクを紙などに刷り写す方法」で、文字通りに活版を使って書籍・新聞などを印刷する方法が「活版印刷」です。簡単に言えば、昔ながらのレトロな印刷方法で印鑑を押すように1文字や単語毎に押す「アナログ印刷」で大変手間がかかります。鉛などの金属で「活字」は作られ、文字や記号などが彫られた部分「凸状」にインクを付ける事で文字が紙に転写される仕組みとなっています。よって、基本的には手作業で行う印刷が「活版印刷」であり、日本では江戸時代前後に初めて導入され、明治時代から昭和初期にかけては「活版印刷」の専用機も導入され当時としては印刷物の大量生産を飛躍的に向上させましたが、それ以降からはより便利なオフセット印刷などが導入され主流となっていきますが、現在は逆に昔ながらの懐かしい文字がエモいや高級感があると若者などにもウケて再び人気が出始めています。
活版印刷の由来
「活版印刷」は10世紀の古代中国・唐時代が始まりとされ、15世紀になってヨーロッパに広まりドイツ人の金細工師・ヨハネス・グーテンベルクが「活版印刷術」を開発して大量印刷を可能にした事から「近代印刷術の祖」と呼ばれています。日本には安土桃山時代の「天正遣欧使節団」がキリスト教の布教の際に「活版印刷」が入ってきて、聖書や宣教書を印刷するのに使われました。
活版印刷の文章・例文
例文1.今になって活版印刷がレトロでエモいというのだから、現代人の捻じ曲がった感覚にはついていけない。
例文2.印刷業を爆発的に飛躍させたのは間違いなく活版印刷だが、それもデジタル革命によって淘汰され、そのデジタル革命も再び新しい時代によっていずれは消えていく。
例文3.世界中で活版印刷は絶滅しているが、当時の専用機が現代では高値で取引されるようだ。
例文4.スマホに夢中な現代人ほど大正や昭和時代をやけに賛美するが、当時は男尊女卑やイジメに差別が当たり前な気が狂った時代なので、活版印刷を作った戦争を鼓舞するプロパガンダポスターなどは今見ても反吐が出てくる。
例文5.活版印刷には高級感があり味わい深いという人は、苦労知らずの坊ちゃん連中でしかないと思える。
「活版印刷」を使った例文となります。
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活版印刷の会話例
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その名刺ちょっと見せて。ん、なんかデザインや文字がレトロだよね。
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そうでしょう。実は今流行りの活版印刷風にしたつくりなのよ。
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どうりで…。確かにオシャレでセンスがいいね。よし、俺の名刺も来年からはちょっと変えてみようかな。
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それがいいわよ。名刺も今は逆にエモいからね。
文字を昔ながらの「活版印刷風」にした名刺についての会話となります。
活版印刷の類義語
「活版印刷」の類義語には同様のアナログ印刷として「ガリ版印刷」「謄写版印刷」「グラビア印刷(凹版印刷)」「シルク印刷」「オフセット印刷」などの言葉が挙げられます。
活版印刷の対義語
「活版印刷」の対義語には現代的なデジタル印刷として「オンデマンド印刷」「インクジェット印刷」「DTP」「バリアブル印刷」などの言葉が挙げられます。
活版印刷まとめ
以上が昭和時代までは主流だったアナログ式の印刷方法「活版印刷」の解説となりました。一度に綺麗な文字で大量に印刷が出来る特徴がありましたが、その後はさらに便利となったオフセット印刷やデジタル印刷が登場をするとコストや手間暇ばかり掛かるので印刷業界では使われなくなります。しかし、令和時代になると懐かしの文字が逆に高級感やセンスがあると脚光を浴びて注目されています。