香盤(こうばん)

「香盤」とは「線香など香を焚く専用の台」が転じて「放送業界用語でドラマなどの撮影に必須な出演者・シーン番号・セットなどが書かれた一覧表」です。一般人は仏具や芸能業界などは疎いので専門用語を出されても分からないですよね。何よりも「香」の「盤」となれば、香りに関する何かだと思うものです。しかし、これがドラマ・映画撮影ではタイムシフト表といった意味になるのです。

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香盤の意味とは

「香盤」の意味は以下の通りとなります。
 (1)映画やドラマなど放送業界専の門用語で、出演する俳優など全役名と出演する場面等が書き込まれた一覧表。
 (2)映画・ドラマや歌舞伎世界の専門用語で、撮影現場や舞台での出演者の演目やシーンの進行状況を記載した表。
 (3)舞台や劇場の専門用語で、観客席の座席表。
 (4)仏教用語で、香道や仏具で使う香を長時間焚く為の四角い盤上の道具「香炉」の別名。
「香盤」はいくつかの意味がありそれぞれ専門用語ですが、最も一般的なのは映画・ドラマなどの業界専門用語で、出演者の全役者名や役名に演目の時間やシーンの進行状況などを記載した、云わば全てをまとめた一覧表となります。この表があれば全ての段取りなどが把握できるのでとても便利で、逆に言うならこの「香盤」がなければ撮影は始まらないと言っても過言ではありません。他にも同じく芸能である舞台・劇場業界用語として観客の座席表も「香盤」となります。しかし、こちらは裏方の会場を支えるスタッフにとって大事なもので、俳優陣や撮影する側はそこまで気にしないところがあります。これら以外では仏教用語で坐禅をする時や仏壇などに線香を供える台も「香盤」となり、この場合は正式には「香炉」とするので別名と解釈できます。その「香盤」は一般的には升目が多く放送業界のタイムシフト的な一覧表に似ていたので、段々と「香盤」と呼ばれて専門用語になりました。

香盤の由来

「香盤」の由来は恐らくは仏教用語から転じて歌舞伎などの舞台や劇場で使われ、そして放送業界の映画・ドラマなどの専門用語になったと思われます。文献としては、鎌倉時代中期の仏教説話集「米沢本沙石集」などに文言が記されています。

香盤の文章・例文

例文1.芸能業界で働く知人は久しぶりに会うと必ず香盤などの業界用語を会話の最中に使い入れて、正直とても疲れて付き合いをやめたくなる。
例文2.楽しみにしていた声優の舞台劇に訪れたが、初めての会場なので香盤を頼りにチケットの席に座った。
例文3.線香を香盤に立てて、ゆっくりと煙を見ていると段々と精神が落ち着いてきて眠くなってくる。
例文4.映画やドラマ撮影は香盤を作るのは新人ADなどの役目なのだろう。
例文5.タレント気取りなYouTuberが撮影スケジュールの解説で香盤を出してくると、妙な違感を覚えて再生停止し登録チャンネルも解除した。
「香盤」を使った例文となります。

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香盤の会話例

  • 質問者アイコン

    テレビ業界に勤めて、やっと念願だったドラマ撮影に携わっているんでしょう。何が不満なの?

  • 回答者アイコン

    もっとオシャレで時代の先端をいっている仕事だと思っていたのー。でも実際は芸能人と仲良くなれるわけでもなく、単なる雑用よ。何日もかけて香盤やロケハンをしたり、もう時間だけが過ぎていく過酷な日々に疲れた。

  • 質問者アイコン

    ん、ところで香盤って何? 専門用語を出されても分からないって。

  • 回答者アイコン

    えーと、香盤は役者や出演シーンや撮影現場などが書かれている一覧表ね。

テレビ局で働いている女性が友人に愚痴を吐くという内容です。

香盤の類義語

「香盤」の類義語には「タイムスケジュール」「スケジュール表」「シフト表」「進行表」「台本」「香盤表」「火入れ」「灰皿」「香道具」「香台」などの言葉が挙げられます。

香盤の対義語

「香盤」の対義語はありません。補足として「香盤」を意味する「一覧(表)」の対義語は「熟覧」、「香」の対義語は「臭」となります。

香盤まとめ

以上が映画やドラマの撮影現場の大事な一覧表や仏具などで香りをたてる容器といった意味を持つ「香盤」の解説となりました。現代においては、その大半は撮影を順調に進めるのに必須なシフト表が「香盤」となります。元々は古代中国で線香を置く台が「香盤」で、そこから転じて放送業界の専門用語として定着をしました。

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