ダイナミックプライシング(Dynamic Pricing)
「ダイナミックプライシング」とは「商品やサービスの価格を需給バランスから変動させる価格戦略」です。どんな価格も需給バランスが鍵を握っているので、いくら人気があっても価格が高すぎれば売れ残ってしまいます。ですから適切な価格が求められますが、これも曜日や時間帯や天候などの条件によってその都度変化をするので、それらを鑑みて適切な価格に調整して見直すのが「ダイナミックプライシング」です。
この記事の目次
ダイナミックプライシングの意味とは
「ダイナミックプライシング」の意味は以下の通りとなります。
(1)英語表記「dynamic pricing」の直訳「機能的な価格設定」から「変動料金制」や「価格変動制」のこと。
(2)ビジネス用語で、消費者の需要と供給バランスから商品やサービスの価格を変更する販売戦略。
(3)客足や売れ行きが悪いなどリアルタイムで状況に応じて価格を調整して売り上げを伸ばす販売戦略。
「ダイナミックプライシング」は英語表記「dynamic pricing」、直訳すると「ダイナミックな価格」や「機能的な価格設定」となり、要するに「変動料金制」や「価格変動制」です。これまでは「固定価格制」が一般的で現在でも主流となっていますが、一部の業界では「ダイナミックプライシング」が採用されてきて代表例はホテル宿泊費・コンビニやスーパーの弁当や総菜・スポーツ観戦チケット・航空券・遊園地&テーマパークの入園料・電気料金・高速料金などでは需要と供給バランスから在庫が多い時や客足が鈍い時などに積極的に価格を下げて売り上げ増加に繋げています。コンビニやスーパーの弁当などは時間帯にも寄りますが半額程度になるのも珍しくなく、理由としては売れ残って廃棄にするよりは価格を下げ、また他の商品を購入してもらう事で値下げ分をカバーするのです。スポーツ観戦の場合は天候などに左右されたり不人気チームとの対戦では空席が目立つので、それならチケット価格を下げた方がメリットがあるのです。このように「ダイナミックプライシング」は価格を下げるのが多いですが、反対に航空券や遊園地&テーマパークなどは状況に応じて価格を上げる場合もあります。理由はお客が多い繁忙期はスタッフも大勢必要となり電気代等々のコストも掛かるので、それに対応する為に価格を上げて対応するのです。よって、市場バランスから価格を調整するのは致し方ないのですが、弁当などの場合は一度安く購入する習慣が身につくと定価購入は勿体なく感じたり、偶に利用する客がネットやSNSから安い価格を後から知ると不満を覚えるので、一概に「ダイナミックプライシング」が正しいとも言えず定価や高い価格で購入する客には別途で何かしらの還元などをした方が望ましいようです。
ダイナミックプライシングの由来
「ダイナミックプライシング」は1990年代にアメリカの航空業界が導入したのが始まりとされています。米ユナイテッド航空が1996年に「Flex Fare」という出発日・時間帯などで航空チケットの価格が変動する「ダイナミックプライシング」を初めて導入し、その後は他の航空会社やホテル業界など異業種にまで広がり日本にも浸透していきます。
ダイナミックプライシングの文章・例文
例文1.地方在住の両親がダイナミックプライシングで航空券を手に入れ東京にやってくるので、仕方ないが当日は観光に連れていってやろうと思っている。
例文2.ダイナミックプライシングを導入してどのぐらい売り上げが伸びたのか、各業界のデータを見てみたい。
例文3.新宿などのぼったくりバーもある意味でダイナミックプライシングを積極的に取り入れている。
例文4.コンビニやスーパーはSNSでダイナミックプライシングを積極的にアピールすればもっと客がやってくると思うが、実際は難しいのだろう。
例文5.価格変動であるダイナミックプライシングによって価格破壊が起こり、そして業界が淘汰されていくのだろう。
「ダイナミックプライシング」を使った例文となります。
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ダイナミックプライシングの会話例
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今からコンビニに行くけど、何か買ってくる?
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お腹が減っているから、お弁当やおにぎりがいいな。えーと種類は…。
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ダメー。種類を選ぶのは無理だよ。だってダイナミックプライシングで安いのを適当に選んで買うだけだから。
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あっそうだ。私たちは節約生活をしているんだった。でも、それなら自炊しようか?
コンビニへ出かけようとする彼氏とその彼女の会話内容です。
ダイナミックプライシングの類義語
「ダイナミックプライシング」の類義語には「変動価格制」「動的価格設定」「需要連動価格」「時間帯別料金」などの言葉が挙げられます。
ダイナミックプライシングの対義語
「ダイナミックプライシング」の対義語には「固定価格制」「固定料金制」「定額制」「均一料金制」「一律料金制」「月額性」「サブスクリプション」「サブスク」などの言葉が挙げられます。
ダイナミックプライシングまとめ
以上が需給バランスで価格が変動する「ダイナミックプライシング」についての解説でした。お客にとってはメリットデメリットがあり、上手に利用すれば通常よりも安く商品・チケットの購入ができます。しかし、殆どの人は土日休みであるなど他の利用者とタイミングが同じになる事も多く、そうなると人込みの中を割高価格で楽しむケースも増えてしまいます。企業側は売上増加を見込めるので今後は他の業界でも採用して、何れは「ダイナミックプライシング」が当たり前な社会になるのかも知れません。