一矢報いる(いっしむくいる)
「一矢報いる」この言葉みなさんは正確に理解していますか?新聞などで目にした時、読み方に不安を感じる人も多いのではないでしょうか。
「攻撃に反撃する」という意味ですが、ビジネスでも使われるので今一度しっかりと覚えておきましょう。
一矢報いるの意味とは
字のごとく「一矢」を「報いる」訳ですから、「大きくとまではいかないが少しでも反撃する」という意味ですね。
ということは「かなり劣勢で多少反撃したところで勝敗は変わらないのだが、それでも諦めず果敢に立ち向かう」そんな状況で使われる慣用句なのです。
スポーツの試合で、既に大敗していて負けを悟っているのに最後まで諦めない姿は時として観客の胸を打つことがあります。
また議論において、大勢に一方的に批判されている中「多くの人の心は変えられないと分かっていながら、それでも少しの理解でも」と反論している場面などでも使われる慣用句です。
一矢報いるの由来
由来ですが、1274年の文永の役での一幕から生まれたという説があります。
鎌倉時代、日本は「元」(中国大陸を支配していたモンゴル)から攻撃を受けました。
日本は元の圧倒的な軍事力に太刀打ち出来ないのですが必死に食らいついて諦めません。
そんな時、小弐景資(しょうに かげすけ)という武将が放った一本の矢がなんと蒙古軍の猛将であった「劉復亭(りゅう ふくこう)」の肩に刺さり、劉は馬から転がり落ちたのです。
この出来事が「一矢報いる」の由来だという説が有力です。
一矢報いるの文章・例文
例文1.ワンマンな社長に一矢報いる気持ちで、今日は会議で一言意見した。
例文2.A社は長年業界一位をキープしていたが、B社が今年度は一矢報いた。
例文3.最後の試合なのだから、ただ負けるのではなく一矢報いてこい。
例文4.10-0だったが一矢報いたいという思いが奇跡の1点を生んだ
例文5.彼は簡単には諦めないで最後まで一矢報いようとするだろう。
「一矢報いる」は肯定的に使われます。
「報いる」と入っているのに報われない、滅びの美学を感じさせる慣用句ですね。
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一矢報いるの会話例
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初戦が去年の優勝校だなんて運が悪かったね。
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一矢報いるチャンスも作れなくて情けないわ。
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なに言ってるんだ。全員が最後まで一矢報いようと必死に走ってて感動したよ。
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来年こそは一矢報いるくらいじゃなく絶対に勝つわ。
まぐれで勝ち取ったケースや逆転して勝った場合には使いませんので注意しましょう。
一矢報いるの類義語
類義語は「蟷螂の斧」。別の言い方をすれば「敵わぬまでも一太刀」。
最終的に負ける意を含めない場合「恨みをはらす」「一太刀浴びせる」「逆襲する」。
反撃に限らない場合「一泡吹かせる」。肯定的には使いませんが「焼け石に水」。こういった言葉もあるので合わせて覚えておきましょう。
一矢報いるまとめ
「一矢報いる」の意味は「攻撃に対して反撃する」ですが、そこには結果は出なかったが劣勢下でも相手に必死に食らいつく心意気が含まれています。生活の中で上手に使ってみましょう。