国璽(こくじ)
国璽という言葉を皆さんは聞いたことがあるでしょうか?読み方は「こくじ」。
国璽は普段はあまり聞き慣れない言葉かもしれませんが、実はとても重要な「国家の象徴」となるものであり、改元を控えた今、国璽の意味・由来・文章・使用例などについて解説します。
国璽の意味とは
国璽の意味は「国家の象徴として押す印影」です。璽(じ)は印象、わかりやすく言えばハンコのこと。つまり、国の象徴であるハンコと捉えることができます。
国璽は9センチ四方の金印で、「大日本國璽」(だいにほんこくじ)と記されています。
右側に「大日本」、左側に「國璽」という配置です。国璽は以前批准書・全権委任状・信任状等の国書・親書・勲記等、様々な重要書類に押されていました。
現在では宮内庁侍従職で保管されており、勲記のみに押されています。勲記とは受勲者に与えられる証書の事です。
国璽の由来
国璽の由来ですが、国璽はもともと大日本帝国時代の1874年に作られました。安部井檪堂という印司が1年かけて制作したものが現在も使われており、その名残として「大日本國璽」という表記になっているという由来の説もあります。
国璽の文章・例文
例文1.国璽は1874年、安部井檪堂によって作成され、現在も使われている
例文2.文化勲章を受章した人のお宅に伺ったが、勲章の真ん中には見事な国璽が押されていた
例文3.一度でも国璽に触ってみたいものだ
例文4.イギリスは封蝋だが、国璽にはやはり日本の文化を感じる
例文5.大日本帝国憲法下では国璽は非常に多用されていた
国璽は日本という国にとっても重要なものであり、大きな意味を持っている事がわかるでしょう。
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国璽の会話例
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現在の日本国名は「日本国」ですが、国璽の印は「大日本国璽」となっていますよね。これはなぜなのでしょう?
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国璽は元々大日本帝国下で作られた物です。以前の日本国名は「大日本帝国」なので、「大日本国璽」という印にはその名残が残っているのです。
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でも、現在の国璽には「大」は付いていますが「帝国」は付いていませんが・・・。
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もちろんそうですが、国璽については現在も大日本帝国のものを引き続き使っているわけです。
元々天皇とは「エンペラー」の意味。現在我が国日本は天皇を有しているので、国璽が「大日本国璽」のままであることは興味深い事実です。
とはいえ、現状は日本国憲法の下で勲記にのみ押印されているため、国家的な勲章であることを証明するために使われているのが現状です。
国璽の類義語
国璽の類義語は「御璽」(ぎょじ)です。
御璽は天皇が公式に用いる印。以前は国璽と共に内大臣が押印していましたが、現在は国璽と共に宮内庁侍従職が管理し、日本国憲法下では天皇の国事行為に伴って使用されています。
国璽との違いが分かりにくいですが、国璽は国家の象徴としての印、御璽は天皇の象徴としての印、と考えるとわかりやすいです。
また他の類義語に封蝋があります。封蝋はハンコではなく蝋を溶かして押し付けるものです。日本や韓国は国璽を用いますが、イギリスやアメリカ、フランスなどは国璽に近い使い方で封蝋を用いています。
国璽まとめ
ここまで国璽について見てきました。
以前は外交的な重要文書においても良く見られた国璽ですが、現在では勲記でのみ見ることができます。普段生活しているうえではなかなかお目にかかることは少ないですが、叙勲を証明する立派な印として宮内庁で大事に保管されています。
元々ハンコは日本独特の文化です。海外ではほとんど使われません。
その意味で、国璽は日本の歴史と文化が詰まった印象と言っていいでしょう。