碩学(せきがく)
碩学という言葉、聞いたことがあるでしょうか。私は初めてこの言葉を見た時、「碩学?いったい何の学問?」と思いました。実は碩学とは特定の学問を表す言葉ではありません。普段はあまり使わない言葉ですが、この記事では碩学について取り上げてみたいと思います。
碩学の意味とは
碩学とは「広く学問を修めること。また、修めている人。大学者」という意味を持っている名詞です。石偏が付いているので、一見すると「石についての学問か?」と思ってしまいますが、あらゆる学問を修めていることを表すのですね。
碩学の一言で人物その人を表すこともできますが、「碩学の〇〇」というように、別の単語にくっつけて形容詞として使うこともできます。
読み方は「せきがく」です。
碩学の由来
碩学の由来はわかっていませんが、江戸時代には「五山碩学」という制度がありました。
京都五山とは臨済宗の五大寺官のことで、別格の南禅寺、一位~五位の天竜寺、相国寺、建仁寺、東福寺、万寿寺から成ります。
江戸時代、この五山で学問にはげむ学僧たちは数は多けれど、支給が少なくみな貧乏でした。彼らが広く学問を修めながらも、貧しい生活を送っていることを徳川家康は問題視し、「一位から四位の寺の僧侶の中で、学問に優れた僧侶に手当てを与える」と言いました。これが五山碩学であり、この手当を碩学料、または学禄と呼びました。当時の「主席」に対しての報酬と捉えてもいいかもしれません。
家康は碩学料を払わせるために、寺領の一部を碩学領と呼んで区別し、財源とまでしました。当時の僧侶はよっぽど貧乏だったのでしょうね。
碩学の文章・例文
例文1.あの教授は碩学だ
例文2.碩学の門をたたく
例文3.彼と言えば碩学で知られている
例文4.さながら碩学の僧侶だ
例文5.碩学の師に教えを請う
例文のように、「碩学の〇〇」という使い方もできます。とはいえ、日常会話ではほとんど聞かない言葉ですね。後述しますが、類義語の「博学」の方がよく使われる印象です。
ちなみに碩学はその言葉単体で人物を表せるので、「碩学家」という言い方はしません。
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碩学の会話例
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知り合いにお坊さんがいるんだけど、この前話したらものすごく物知りだったよ。
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あら。お坊さんって、お寺でお経を唱えてるだけではないのね。
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聞くところによると、大学でも文武両道で優秀だったそうだよ。
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まさに碩学の僧侶というわけね。
元々碩学は僧侶に使われた言葉ですが、上記の会話では現代のお坊さんに対して碩学という言葉を使っていますね。
碩学の類義語
碩学の類義語は「博学」です。非常に似た意味で、「幅広い知識を持っている様子」を表します。両者の違いは微妙なところですが、碩学は単体で人物を表すのに対し、博学は単体では人物を表すことはなく、あくまで形容詞として使われます。
碩学まとめ
いかがだったでしょうか?ここまで碩学についてみてきました。博学と比べ、現在ではあまり使う言葉ではありませんね。