胸算用(むなざんよう)
「とらぬ狸(たぬき)の皮算用」で有名な「皮算用」(かわざんよう)は知っていても、「胸算用」(むなざんよう、むねざんよう)はあまり聞いた事がなかったり使わない人も多いと思います。言葉を発するにしても「皮算用」の言い易く、「胸算用」は少し言い難いですよね。良く似ているこの二つの言葉は、実際には微妙に意味も違い、どの場面でも「皮算用」と使うのは誤用となります。そこで今回は、「胸算用」の正しい使い方や意味、由来などをまとめてみました。
胸算用の意味とは
「胸算用」は、頭や心の中で計算や見積もりを立ててしまう意味です。すると、暗算と同じような意味にもなりますが、”算用”には金銭を支払うや勘定という意味があるので、「胸算用」には仕事での損得勘定や、営業マンがお客に対して売上を目論む際などに使うべき言葉となります。胸の内で、利益や損失の計算を済ませてしまうという、大人なら誰もが行う自然の行為です。
胸算用の由来
諸説ありますが、江戸時代の井原西鶴の作品「浮世草子」には、商人などの生活を描いた「世間胸算用」という短編集があり、ここで「胸算用」が使われたとされています。”算用”は単なる計算ではなく、金銭に関係した場合に使われるのも、商人の姿を描いたのが切っ掛けとされます。
胸算用の文章・例文
例文1.友人と競馬場に行き見事に大穴を当て、胸算用を黙ってしてしまった。
例文2.胸算用では、今日だけで100万円の売上だ。
例文3.友人と飲みに出掛けると、いつも胸算用をして損をしないように考えてしまう。
例文4.店員があれこそ勧めてきたが、胸算用をしてお得なものを購入した。
例文5.損得の胸算用の暗算だけは誰にも負けない早さがある。
お金についての損得計算を胸でする事なら、胸算用と使って問題がありません。
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胸算用の会話例
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何か欲しいものがあって、購入をする際には、ネットや実在のお店を何軒も回ってどこが安いか調べてしまう癖があります。
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私も高額な家電などを買う時は、やってしまうかも!
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ネットで買う方が、殆どの場合で安いのは知っているけど、近所のお店が一番安かったら損をしたとショックだから…。こう言うのは、胸算用なんですかね?
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100%合っているとは言い難いけど、間違ってもいないよね。多分、店員さんの前で、他店との価格を頭の中で比較していると胸算用でいいんじゃないのかな?
「胸算用」の微妙な使い方について、意見を求めている会話です。
胸算用の類義語
「胸算用」の類義語には、「胸積り」「皮算用」などの言葉が挙げられます。
胸算用まとめ
心や頭の中で見積や損得の計算をするのが「胸算用」です。「皮算用」とも非常に似ていますが、こちらは実現前の計画や計算となり、金銭の計算だけなら「胸算用」を本来は使うべきです。