シナジー(synergy)
シナジーは相乗効果、共同作用を意味する言葉となります。主にビジネスシーンで使われており、企業のM&Aや業務提携においては相互の強みや弱みを補完して、売上・利益の最大化を図るという様なケースが多くなっています。ライブドアショックの後、2006年にライブドア株を購入したUSENの宇野康秀社長も「シナジー効果を出していきたい」と話しており、10年以上前からビジネス用語として定着をしています。今回はこのシナジーについて、意味や由来、例文、類義語、対義語などを交えてわかりやすく解説をしていきます。
シナジーの意味とは
シナジーの意味とは相乗効果、共同作用を意味しています。英語表記では「synergy」となります。またM&Aや業務提携は2つの会社が一緒になったり、手を結ぶ事で「1+1=2」以上の効果を出す為に行う事で、「1+1=2以上」になった時初めてシナジー効果があったと言えるのです。また特にM&Aにおいて生み出されるシナジーは「収益」「コスト」「税金」「事業」の4つが主なメリットと言えます。「収益シナジー」は2社が連携する事で収益の向上に効果があると言われています。「コストシナジー」はコスト削減、「税金シナジー」は繰越欠損金や買収の際ののれん代の節税効果、「事業シナジー」は合わさった事によるスケールメリットによるコストの削減となります。
最近の日本国内におけるM&Aの成功例と失敗例をあげておきましょう。
【成功例】
(1)村田製作所による米・ヴァイオス・メディカルの買収/2017年
メインとして扱う電子部品は市場の影響を受けやすい為、会社の売上・利益を下支えする安定した医療機器メーカーの買収は成功あっと言われています。
(2)JTによる米たばこメーカーのRJRIの買収/1999年
タバコの売上本数が増税などで苦心する中で、海外に活路を見出した結果、買収により10倍もの売上増になりました。
【失敗例】
(1)日本郵政による豪・トール・ホールディングスの買収/2015年
上場前に未来への投資戦略として、買収をしたものの、戦略性もなくデューデリジェンスも甘く、経営陣を送り込む事もなかった為、価格以上のシナジーは生まれず減損損失を4000億超計上する結果となっています。
(2)丸紅による米・穀物メジャーのガビロンの買収/2012年
元々対中国向けの大豆輸出でトップだったガビロンですが、買収により中国側が寡占化を懸念して、丸紅とガビロンが共同で業務を行う事を禁止して売上が低迷する結果となりました。国を超えての買収に際しては、こういったカントリーリスクも存在するのです。
シナジーの由来
シナジーの由来は和製英語ではなく、カタカナ英語と言われており、英語の意味そのままが由来と言えるでしょう。
シナジーの文章・例文
例文1.シナジー効果が出るアライアンスを希望する
例文2.会社の組織の整備によってシナジーが生じていく
例文3.企業買収はシナジー効果を期待して行われる
例文4.シナジーとは足りない部分を補完できる相乗効果が期待されるもの
例文5.鉄道会社が百貨店を持つのはシナジー効果を見越してのものだ
企業同士が手を結ぶ場合には、それに伴う相乗効果が出なければ意味がありません。お互いにとって利益が出る事が初めて買収や合併、M&Aでは意味があった事になると言えます。
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シナジーの会話例
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ここもとうとうあの大手企業に買収されるのか…
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大手企業側からすれば、シナジー効果が期待できますからね。
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だが、我々にとってはどうなんだろう。これからどうすればいいんだろう…
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もう決定したことは覆すことはできませんよ。諦めて買収されましょう。
ここでは、買収される企業での会話でシナジー効果を使用しました。
シナジー類義語
シナジーの類義語としては「アライアンス(alliance)」「化学反応(chemistry)」「共鳴(resonance)」があげられるでしょう。
シナジー対義語
シナジーの対義語としては、マイナスの効果が生み出してしまう事を意味する「アナジー(anergy)」があげられます。
シナジーのまとめ
シナジーは古くからビジネスシーンでは当たり前に使われてきています。ビジネスのにおいて企業や事業間ではシナジー効果(相乗効果)が得られるものである事が大前提となり、今までの多くの会社が買収や合併によってシナジー効果を生み出してきました。
M&Aでは多くのメディアに登場し、著書もある有名な永守重信さんが創業した日本電産株式会社では「世界NO.1の総合モーターメーカー」を標榜して、世界中のモーターメーカーのM&Aを行っています。これは販売、操業、投資、経営の全てがうまくシナジー効果を生み出している最たる例と言えます。