煮詰まる(につまる)
何かを考えたり、作業したりしている時、現在の状態から先に進めなくなってしまったような場面で「煮詰まる」という表現を用いている方はよくいらっしゃるかもしれません。実はこれは間違った使い方なのです。
こういった場面における正しい意味の言葉は「行き詰まる」というものになります。会議が行き詰まった、といったような使い方になりますね。
今回はそんな「煮詰まる」という言葉について、正しい使い方を意識しながら掘り下げてみたいと思います。
煮詰まるの意味
煮詰まる、というこの言葉の本来の意味は「水分がなくなっていく状態」を指し示したものです。煮物は煮込み続けた結果、煮物の中に水分が充分に凝縮され味もギュッと詰まった美味しいものになる訳ですが、このようにやるだけやってもうすぐできそうだという場面において本来は使う言葉になります。
「会議も煮詰まった、結論を出そう」というような用い方をします。
煮詰まるの由来
煮詰まるというこの言葉は料理における「煮詰める」という言葉が元となっているため、料理というものが生まれた遥か昔から用いられていた言葉であると考えられますが、なぜこの言葉が今の状況から前に進めなくなったというようなネガティブな意味で用いられたのか、これはこの煮詰まるという部分が沸騰していっぱいいっぱいになっている鍋などを連想させるようなものであることが一説で考えられています。
煮詰まるの文章・例文
例文1.話し合いが煮詰まり、この会議も終盤に差し掛かっている。
例文2.怒りが煮詰まってしまったが、最後に手は出さなかった。
例文3.資料の内容が十分に煮詰まったから、これでいこうと思った。
例文4.料理は煮詰まるようにすることで味が凝縮され、美味しくなる。
例文5.充分に煮詰まる会議ができたことによって、これからの対応に光明が見えた。
煮詰まるという言葉は主に料理の場面における物理的な意味と、会議などにおいていい方向へ持っていこうと試行錯誤するような二つの場面で用いられる言葉です。
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煮詰まるの会話例
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昨日の会議で次のプロジェクトについて充分煮詰まる会議ができたため、もう明日から動き始めることができそうです。
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よかったですね。
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という訳で今日飲みにでも行きませんか?
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すみません私も家で煮物料理作り置きしていたので別日にお願いします。
煮詰まるという言葉は「次に進むことができるほど、充分にそれができた」という前向きな意味を持つ言葉となっています。
煮詰まるの類義語
煮詰まるの類義語としては、「終局に向かう(しゅうきょくにむかう)」、「意見が出尽くす(いけんがでつくす)」などが挙げられます。
煮詰まるまとめ
この煮詰まるという言葉、正しい意味である行き詰まると比べると言いやすい語感をしている言葉であるため、何か行き詰まってしまった時、ついクセのように「煮詰まったー!」と用いてしまいがちかもしれません。
ただ、それを本当に修正すべきか考えてみると、よくよく目の前の本当に重要なことが先に進まなくて困っている状況で、その誤った言葉の使い方に意識を向けるくらいならいっそ間違えたままでも目の前のことに取り組んでしまった方がいいのかもしれませんね。