不世出(ふせいしゅつ)
皆さん、「不世出」という言葉があるのですが、聞いたことはありますでしょうか。パッと見、「ネガティヴ」な意味の言葉のような印象を受けますが、実はそれは全くの真逆で、これは強い称賛を表す言葉なのです。そこで今回は、「不世出」という言葉について詳しく解説していきたいと思います。普段あまり見聞きすることのない言葉ですが、いざというときに勘違いで大恥をかいてしまわないように、この機に一緒に学びましょう。
不世出の意味
「不世出」は、「滅多に世に出てこないほど優れた何かを持っていること」を意味します。
分かりやすい例で言うと、橋本環奈さんは「千年に一人の美女」と言われていますよね。これは、「千年に一度しか現れない(滅多に現れない)ほど、整った容姿を持っている女性」という意味で、「不世出」の言い換えと言えます。
不世出の由来
この言葉の由来は、一文字ずつに分解すると非常にシンプルで分かりやすいです。
「世」は世の中(世間)を表し、「出」は出る(現れる)ことを意味します。そしてこの二つの言葉を合わせると「世出(世の中に出回る・世に現れる)」という言葉ができます。
そこに、打ち消しの意味を持つ「不」をつけることによって、「不世出(世に出回らないほど貴重・滅多に現れないほど優れた何かを持っている)」という言葉が出来上がります。
不世出の文章・例文
彼の歌の才能は不世出だと絶賛されたが、早くに喉を壊して引退してしまった。
私は自分の絵の才能を、不世出なものだと自負している。
不世出な人材になるのは容易ではないが、ひたすら努力を続ける他はない。
彼は不世出な数学の才能を持ちながらも、文系のコースを専攻した。
親はこの才能を不世出なものだと誤算するが、それが親バカというものだ。
最近では〇〇年に一度という表現が使われすぎて、逆に安っぽい売り文句へと変わりつつありますよね。
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不世出の会話例
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君の歌の才能は本当に不世出なものだよ。
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大袈裟すぎるよ。カラオケなんて音程があっていれば高得点が取れるんだから。
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僕は音程も合わせられないんだよ。
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あなたの音のはずし方の方がある意味不世出だと思うけどね。
この女性は皮肉として不世出を使っているだけであって、本来はネガティブな意味で突出している何かに対して、「不世出」という言葉は使わないということを覚えておいてくださいね。
不世出の類義語
「不世出」の類義語には、「比類ない」や「絶世」などが挙げられます。
不世出まとめ
今回は、「滅多に世に出てこないほど優れた何かを持っている」という意味の、「不世出」という言葉について解説しました。
世の中には、とんでもなく優れた才能を持っていても、あえて表舞台には出てこない人や、自分でもその才能に気づけていないような人たちが数え切れないほどいます。もしかしたらあなたも後者のうちの一人かもしれませんよ。あなたにしかない、特別な才能を見つけ出すには、いろんなことに挑戦し続けるしかありませんね。ある日突然、素晴らしいあなたの才能に出会える日が来るかもしれませんよ。